コロナ以来の世の中のあり方に対するモヤモヤ感(4)今、パンデミックの問題点はどこに?

 新型コロナ(COVID-19)感染症。今や、その感染症自体の医学的問題ではなく、それに対する政府の公衆衛生対応によって引き起こされている二次的な問題の方が大きくなっているようです。

 現在各国が打ち出している公衆衛生対策は、12歳以上の国民にほぼ100%(河野太郎氏は、95%目指すとおっしゃっています)の新型mRNAワクチン接種させることにより、人工的に集団免疫を作り、コロナ感染症を抑え込むというものです。そのために、政府は先頭に立って「ワクチンは安全であるから、皆に打って欲しい」と表明し、ほとんどのメディアもそれに倣い、ワクチンの安全性と接種の必要性をプロモートする報道姿勢をとっています。その結果、治験途中で緊急承認されているファイザー社などの新型mRNAワクチンの使用への慎重論を「デマ」と断定するような報道や著名人の発言が多く紹介されるようになっています。

 しかしながら、当初から厚生省は「新型コロナワクチンの接種は、国民の皆さまに受けていただくようお勧めしていますが、接種を受けることは強制ではありません。しっかり情報提供を行ったうえで、接種を受ける方の同意がある場合に限り接種が行われます。予防接種を受ける方には、予防接種による感染症予防の効果と副反応のリスクの双方について理解した上で、自らの意志で接種を受けていただいています。受ける方の同意なく、接種が行われることはありません。」と明言していました。それにもかかわらず、実際には政府主導でワクチンパスポートなるものを作り、事実上ワクチン未接種者を公然と差別できる仕組みを作る方向に向かっています。

 多くの国で半数以上の国民が2回の接種を終え、当初集団免疫ができるために必要とされていた60−75%の接種率にすでに到達した国もあります。しかし、相変わらず新型コロナ感染は続いており、例えば、イスラエルは2回接種率が80%に達しているにも関わらず、多くのワクチン接種者への感染(ブレークスルー感染)が起き、7−8月に患者が急増し人口あたりの感染者数は過去最高を更新し、アメリカからの渡航が制限されるほどの感染拡大が起きています。イスラエル保険局もファイザーの新型mRNAワクチン2回接種の有効率は、当初言われていた95%から39%以下に落ちていると認め、すでに3回目接種も始まっています。

 おそらく、ノーベル医学賞受賞者であるフランスのモンタニエ博士など、一部の専門家にから指摘されていたように、パンデミックの最中にワクチンを使ったことで、ウイルスの突然変異が加速化され強毒性に進化し、変異したウイルスに対してのワクチンによる中和抗体の力が弱まり、抗体依存性感染増強(ADE)と呼ばれるコロナ型のウイルスに特徴的な中〜長期で現れる免疫不全が起きているものと考えられます。

 もちろん、モンタニエ博士をはじめとする著名な専門家による新型mRNAワクチンに対する慎重論は、全てデマかフェイク(河野太郎さんもそう断言してましたね)と断罪されていますから、今でもメディアでまともに取り上げられる事はありません。そのため、何が起きても王様は裸ということははばかられて、「ワクチン政策はうまくいっている。もし今問題が起きているとしたら、それはまだ接種率が低いからに違いない。80%でも不十分なら100%にすればいい。ワクチンの効果が8ヶ月で低下してしまうのだったら、8ヶ月ごとに3回目、4回目、5回目とブースターショットを続ければ良い。この機器的状況でワクチンを接種をこばむ連中は、単なるわがままだ。彼らのせいで社会全体が迷惑しているんだ!」ということになっています。このように、国民がお互いに信頼し合い、助け合うことが必要なときに、「未接種者は社会に迷惑をかける厄介者」という空気を醸成し、国民の間になんとも言えない冷たい分断を生み出したことは、新型mRNAワクチン政策の失敗よりも、もっと深刻な失政だと思います。

 かなりのリスクを負って始められた新型mRNAワクチンの大規模接種による新型コロナ感染症の抑え込みという政策ですが、実のところ、マスコミやワクチン推奨論の方が錦の御旗として掲げている「感染率を下げる」「集団免疫を構築する」という主張は、スタート時点では「実証が難しい」「大規模な接種後までわからない」ということでした。確実に達成できる期待されていた目標は、「感染者の重症化を低下させる」という一点のみ。確かに、ワクチン接種者が重症化率が未接種者よりも低いというデータは出ていましたが、逆に死亡率は高いというデータもあり、さらに抗体依存性感染増強(ADE)と疑われる現象が出ている現在、重症化を防ぐという効果も怪しくなっています。それに、感染率を下げるという結果は出ていませんし、集団免疫に関しても、イスラエルの例などを見れば上手くいかなかったことは明らかです。

 新型コロナへの恐怖をテコに、人類初の新型mRNAワクチンを十部な治験を待たずに緊急承認し、十分な事前情報提供も厳重なフォローアップもなく大規模接種を敢行したにも関わらず、日本に先んじて同じ政策をおこなた国家で芳しい成果が上がっていないという現実。新型mRNAワクチン導入以前から、ワクチン慎重論は巷に多くあり、実際に治験期間中にある緊急承認での導入であることを考えれば、あらゆる方向からリスクの予測と適正な接種者の注意深い事前スクリーニングと接種後のフォローアップ、継続的データの収集と分析を行える体制を整えてから、もっと慎重に進めるべきでした。

そして今は、「それならブースターショットだ!国民100%接種だ!変異株に合わせて遺伝子配列を変えた新たな新型mRNAワクチンを定期的かつ継続的に接種し続ければいい!」という段階にあるのですが、ちょいと待ってくださいよ。今は立ち止まって考えるべき時じゃないですか。このまま新型mRNAワクチンに頼った対応を推し進めるのは、「同じことを繰り返しながら、違う結果を望むこと、それを狂気と呼ぶ」というアインシュタインの格言そのものではないでしょうか。

 自信満々だった先導者が道に迷ってしまった。ゴメンちゃいで済まされる問題ではありませんが、そういうこともあるでしょう。その責任問題はさておき、今はまずは立ち止まり、状況をもう一度冷静に精査し、行くべき道を再検討し、よりふさわしい先導者に案内を託する必要です。 

 今からでも遅くはないので、まずは、新型mRNAワクチン接種を停止し、できるだけ多くの接種者のフォローアップによる短期〜中期の服反応に関するデータ収集とその評価、ワクチン接種で先行する国でのワクチンの感染予防、重症化予防、集団免疫の効果と、変異による強毒化のリスク評価、8ヶ月ことにブースターショットをする場合に想定される新たなリスクと様々な医薬品との相互作用のリスクの評価などを慎重に行うべきだと考えます。

 色々と悩んだ末に、すでに接種をされた皆さんの多くは、「2回の接種でコロナを気にせずに生活できるようになって、しかもそれが社会のためになるというのであれば、我慢しよう」という気持ちだったのではないでしょうか。必ずしも致命的ではないにしろ、かなり厳しい短期の服反応が非常に高い割合で出るワクチンですから、接種後に実際に辛い思いをされた方も大勢いらっしゃると思います。それを今さら「実はワクチンを打ってもコロナにかかる危険性は無くならないし、8ヶ月でワクチンの効果も消えちゃいますから、これからずっと8ヶ月ごと打ち続けてください。」というのはあまりにも無責任です。しかし、厚生省は当初から、『本剤は、本邦で特例承認されたものであり、承認時において長期安定性等に係る情報は限られているため、製造販売後も引き続き情報を収集中である。本剤の使用にあたっては、あらかじめ被接種者又は代諾者に、本剤に関する最新の有効性及び安全性について文書で説明した上で、予診票等で文書による同意を得た上で接種すること。』と公言していましたから、理屈の上では、国民が十分に納得して自己責任で接種を選んだことになっています。しかし、接種時の最新情報を文章で随時更新して各接種者に丁寧に説明するようなことは行われていないし、内閣府は「ワクチンは安全です!」という広報もしていたわけですから、政府の責任は問われるべきです。

 新型mRNAワクチンは、実際にはワクチンではなく遺伝子療法の新薬に分類されるべき薬物で、ある程度のリスクを伴う医療行為です。すでに何らかの疾患に悩む方の場合、病気のリスクとの兼ね合いで治療薬のリスクもある程度許容されるのですが、健常者が予防薬を使用する場合には、話が全く異なります。中長期のリスク評価に必要なデータのない治験中の薬物を、健常者に8ヶ月ごとに長期にわたって接種させるような医療方針は、常識で考えても、健常者にとってはリスクが高すぎて割りに合わない愚策です。これを、ワクチンパスポートなる圧力を用いて強制的志願(特攻隊と同じ)をさせるつもりなのでしょうか?

 すでにワクチン接種されたみなさんは、今更このような論説はを目にして、不愉快にお感じになるかもしれません。しかし、自由民主主義においては、政府が誤った方向に暴走しないようにするのは主権者たる国民の責任であると心得ます。そのためには愉快/不愉快を超えて、いろんな意見をオープンに交換することで、自らの意見を整理するとともに異なる立場の意見を理解し、個ではなく集団として意見を集約し、より過ちの少ない道を選ぶことが大切だと考えます。ということで、主要メディアでの論調とは対立する視点の多い論説ではありますが、あえて発信させていただきました。

 このように新型mRNAワクチン慎重論を発信しておりますが、通常の治験と認可手続きを経た従来型のワクチンを反対する立場ではありません。今回、新型mRNAワクチンが緊急承認という形で国民の選択肢としてテーブルに乗ったことには異論はありますが、すでに正式な手続きを経て国民の選択肢となっている新型mRNAワクチンを自由に選ぶ権利を否定するつもりはなく、むしろそれを尊重する立場です。しかし、それと同様に、ワクチンを選択しないという権利と自由も、尊重されてしかるべきだと思っています。

 

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