Review: KoMaGa Trio, Foxing Hour
2021年2月1日
筆者:ポール・アマドー (Paul Amador)
コマガ・トリオ (KomaGa Trio) の『フォクシング・アワー (Foxing Hour )』には、マイケル・マンリングがベースでフィーチャーされている。
マイケル・マンリングのソロベースの演奏には、常に圧倒されてきた。その期待感を裏切ることなく、今回の他のミュージシャンとのコラボ演奏も、やはり絶品である。コマガ・トリオは、マイケル・マンリングをベースに迎え、ハープの古佐小基史、タブラ/パーカッションのクリスガルシアから構成されるバンドだ。
このトリオは、完璧なまでにバランスのとれた演奏へのアプローチでお互いの音楽的能力を引き出し合いながら、金の線細工のごとく入り組んだ音楽の織物を創出している。
各ミュージシャンが、それぞれの曲という織物の中で十分に輝きを放つポイントを与えられている。マイケルのベース演奏は、いつものことながら、超絶的で素晴らしいの一言に尽きる。
ハーピスト古佐小によって作曲された8曲のユニークなインスト曲は、どの曲もこのトリオに完璧にフィットしている。パーカッションによってサポートされるハープとフレットレスベースのブレンドは、見事である。
彼らの音楽は「ニューエイジ」のジャンルに当てはまるかもしれないが、そのようなジャンルの分類はさして重要ではない。特筆すべきは、この音楽によってもたらされる深い情緒である。
座って目を閉じ、集中してこの音楽の旅を楽しむとしよう。気付くと、私はアルバムのテーマになっている狐 “the Fox” とその特異な視点について考えていた。また、何か仕事をしながら聴いてみると、気持ちを盛り上げインスピレーションを与えてくれることに気づいた。そうこうしているうちに、何度も繰り返しこのアルバムを楽しんでおり、聴き返すたびに新たな気づきをもたらしてくれている。
“Foxing Hour”は、ベースファンにとって文句なく楽しめる作品であるだけでなく、一般リスナーにとっても魅力に満ちたアルバムである。全ての人に、ぜひ聴いてみることをお勧めする。
(古佐小基史/訳)