無料の音楽オンラインセミナー、今週も開催します

明日木曜日の日中と日曜日の夜に開催の音楽サロン。「学術的な研究成果を、音楽家目線でわかりやすく役立つ形でお伝えする」をモットーに、自らの勉強のために無料で行ってます。お盆期間中のため、まだ参加希望者が少ないので、直前ではありますが告知をさせていただきます。
 
第4回 実践に活かせる音楽学術サロン 
「障害を起こさない演奏技術習得のために〜効率の良い動作の仕組みと練習方法」
2021年8月12日 13:00−15:00
2021年8月15日 21:00−23:00
お申し込み: Eメール motoshi@harpmusician.comまで
 
 音楽家として優れた演奏を実現するためには、身体能力の開発のための訓練が不可欠です。プロの演奏家を目指す若者が、長年にわたる日々の過酷な練習によって心身にストレスがかかり、職業病ともいうべき様々な疾患に悩まされ、キャリア半ばにして演奏家としての道を断念せざるを得ないという悲劇も珍しくはありません。
 
 プロの音楽家の世界は、何よりもまず技術面での過酷な競争で生き残らなくてはなりませんから、音楽性という内面的な充実よりも演奏技術という身体能力の訓練が過度に優先され、肉体的限界を超えた無理な努力を自己に強いられることが美徳のように考えられがちです。比較的身体が頑丈である青年期には、このような無理な努力が成功に結びつくこともありますが、その成功体験が音楽家としての拠り所になってしまうと、長年にわたって無理をし続けることになります。そうなると、後年、様々な身体症状が出現し深刻な健康問題に悩まされ、とうとう演奏に支障をきたす状態に陥ってしまいます。
 
 若い音楽家が、将来長きにわたって生産性の高い音楽活動を続けるためには、音楽を学ぶ初期段階から正しい身体使いの原理と練習方法を学ぶことが必要です。また、ベテランであっても、異常を訴える身体のサインを見逃さず、勇気を持ってそれまでの演奏法や音楽との関わり方を見直すことができれば、たとえ挫折に苦しむ時期を経験するとしても、それを乗り越え、音楽家としての人生を全うすることができるでしょう。
 
 今回のサロンでは、演奏に関する運動科学分野の研究から、優れた演奏につながる障害を起こしにくい演奏技術の習得のヒントを探ってみました。
 
 次回の第5回は、9月16日(木)13:00−15:00、9月19日(日)21:00−23:00で、「演奏のおける心理不安である「あがり」」というテーマを中心に講義を考えています。
 
 お申し込みは、出席希望の日時を明確にして、Eメールmotoshi@harpmusician.comまでお願いいたします。事前に講義内容のレジメ、参考資料、ズームのアクセス情報をお送りいたします。
 
 参加費は無料ですが、受講後に有志の皆さんの寄付を受け付けております。日米間で直接振り込みいただくシステムはないため、メールにて希望の寄付金額をお知らせいただき、その金額で「受講料」としてPayPalを通じて請求するという手続きをとっております。やや面倒ではありますが、クオリティーの高いプレゼンを目指し日々研鑽しておりますので、無理なきところでご協力いただけると幸いです。
 
参考文献1:
坂本光太. 2020. “音楽家の身体の故障と 「身体の使い方」 メソッド: 音楽を学ぶ学生のためのガイド.
参考文献−2:
晋一古屋. 2019. “音楽演奏技能の洗練と失調の神経機序.” 日本神経回路学会誌 26 (1-2): 10–14.
参考文献ー3:
里果齋藤, and 純和秋山. 2006. “音楽家の身体症状とその対処法.” 理学療法科学 21 (4): 447–51.
参考文献4:
晋一古屋. 2011. “楽器演奏のパフォーマンスを阻害する筋収縮.” バイオメカニズム学会誌 35 (3): 168–75.
 

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