なんで中年のオッサンが働き盛り?

なんで中年のオッサンが働き盛り?

 

 もう数日で49歳になるオッサン。中年の中の中年。これが中年でなかったら、世の中に中年などという者は存在しないほどの直球ド真ん中の中年です。20代の頃は、テレビなどで「50歳といえば、ちょうど働き盛りで云々…」と言われているのを聞くたびに、「なんでそんな片足を棺桶に突っ込んだようなおっさんが働き盛りなわけ?」と不思議に感じましたが、実際にそうなってみると、その謎が解けてきました。

 

 アラフィフ。アメリカに移住した後に日本で発明されたナウい言葉なので「中年」よりはカッコよく響きますが、中身は一緒ですよね?一応健康でも、近くの物が見えにくくなり、髪の毛やヒゲに白い物が混じり、ちょっと油断すると太るくせに、歯茎はだんだん痩せてくる。血糖値や血圧を心配し、徹夜などしようものなら次の日はヘロヘロ。怪我をしたら回復に時間がかかり、病気になったらなかなか元どおりには戻らない。四十肩や五十肩は序の口で、無理したら腰痛や筋肉痛。何かを取りに部屋に入って「あれ、オレは何をしにここに来たんだっけ?」とボケをかまし、いびきや加齢臭で若者からも毛嫌いされる。確かに、20代の青年に比べたら、見事に片足+αを棺桶に突っ込んでいる存在です。

 

 実際に、もう不眠不休のようなタフな働き方はできませんし、日頃からある程度健康に留意して生活していないと、深刻な病にも陥る可能性も大きく、腰痛や肩痛など慢性的な痛みが体のあちこちに常態化しているのも珍しいことではありませんから、肉体的なコンディションを見る限り、「働き盛り」というよりは「満身創痍」といったほうが的確です。

 

 しかし、メンタルの面では、20代のころと比べるとはるかにタフで安定し、賢くなっていることは確かです。このメンタルの強さが、中年をして、肉体的には昔ほど働いていないにもかかわらず、「働き盛り」ならしむる秘密だと思います。

 

 経験に裏打ちされた説得力、素早い決断力、長期を見据える力、気長に結果を待つ忍耐力、無駄をしない知恵、争わない知恵、仕事の優先順位を見極める判断力、パニックに陥らない肝っ玉、過度な期待をしない現実感、自他の失敗を受け入れる謙虚さ、人間関係において信用を得る力、責任感と使命感、などなど。

 

 この年になっても身一つ養うのに精一杯で、まだまだ、やりたいこともできていないし、同じ働き盛り世代の皆さんほどの社会貢献もできていませんから、もうちょっと頑張って生きていないといけません。できれば、このまま最期まで働き盛りでジジイまになり、ある日コロっと元気に死ねたら本望です。

 

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