戦争の抑止における良心の役割(2) 

(終戦の日、原爆投下など、戦争のことを考える機会の多い8月。戦争に関する過去の投稿を加筆修正して掲載しています。)

 

 人類には、「環境へ適応し生き残るために、他の個体との共存せねばならない」という、生存のためには覆せない大前提が課せられています。そのため、本能的に共同体、生態系、自然環境など人類が属する「全体」との相対的な関係の中で、調和という最も最適な選択を判断できる知性の一つとして、「良心」という機能が発達したのではないでしょうか。

 

 良心が考慮できる「全体」の規模は、良心の発達状態の程度によって、自分自身に関わることのみを考慮できる段階から、属する共同体全体のことを考慮できる段階、人類全体を考慮できる段階、人類が属する生態系全体を考慮できる段階、地球を考慮できる段階、太陽系を考慮できる段階、銀河系を考慮できる段階、宇宙全体を考慮できる段階まで拡張することが可能です。言うなれば、「生物としての生存本能」から、「すべてを包み込む神のごとく思慮深い愛」に至るまで、非常に幅の広い良心のバリエーションがあります。良心の発達の度合いには個人差があり、自分のことしか考慮できない利己的な個人もいれば、一方で人類全体…

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戦争の抑止における良心の役割(1) 

(終戦の日や原爆投下など、戦争のことを考える機会の多い8月。過去の戦争に関する記事に加筆修正して投稿しています)

 

 中東、アフリカ、ロシア、中国の国境付近、朝鮮半島など、世界各所で紛争は止むことを知らず、こうしている瞬間にも世界各地で銃弾やミサイルが飛び交い、多くの生命が失われている状況にあって、どのような国家であっても、今後武力紛争に巻き込まれない保証など全くない、という厳しい現実を認識させられる時代になっています。日本周辺でも特定アジア諸国との間にきな臭い紛争の火種がくすぶり始めています。

 

 このような情勢の中、先の大戦を経験した世代の方が高齢となり、戦争の悲惨さを直接次の世代に伝える人材が少なくなったこと、また戦争を知らない世代がリーダーシップをとるようなったことなどを、世界的な紛争傾向の理由とする議論を耳にすることも多くなりました。確かに、戦争の悲惨さ、虚しさの実体験は、戦争抑止に大きな影響力を持っていると思われます。特に、その世代が社会的リーダーとしての役割をになっている間には、その抑止効果は非常に大きいと考えられます。

 

 しかし、もし戦争を直接経験することが、その世代が戦争に再び足を踏み入れな…

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山火事の恐怖 全てを失う可能性 

 今週は、異常気象による落雷と暴風、それに熱波が重なり、カリフォルニアでは各所で火災が発生したため、ここにも灰がふり、煙で遮られた太陽が昼間でも夕焼けのように赤く染まっています。

 北カリフォルニアの内陸部は、夏から秋にかけて、毎日30度を超える猛暑で、しかも4−5ヶ月ほどは降水量がほぼゼロになりますので、例年山火事のリスクとは隣り合わせです。ここでも、それなりに火災予防はしていますが、6万坪の土地に毎年新しい潅木や草が生い茂ってくるので、完全に火事対策をすることは不可能ですし、東西の隣接地がジャングル状態で放置されているので、そこから火が回ってきたら、ここだけの防火対策では防ぎようがありません。

 数日前の夜中、南の窓から雨を伴わない稲妻で空がピカピカと点滅しているのが見えました。外に出てみたら、遠くでゴロゴロと地鳴りのような雷さんの太鼓の音。これは、落雷したら間違いなく火災が発生するやばいシナリオです。ヤバイとわかっていても、何もやれることはありません。ただ、「この近くに雷が落ちませんように」と祈るのみです。これだけ文明が発達した現代においても、雷に対しては完全に神頼み。地震、雷、火事、暴風、洪水、豪雨な…

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戦線の兵士の想い 

 

 8月15日は、終戦の日であるとともに、ベトナム戦争の退役軍人である義父の誕生日でもあります。義父のことを思いつつ、終戦に想いを馳せながら、昨年、義父を訪ねてフロリダに旅行をした時に聞いた体験談を紹介いたします。

 

 義父は、仕事の引退を機にオハイオの自宅を処分し、環境の良い故郷のフロリダで引退生活を送ることとなり、この数ヶ月前に引っ越しをしたばかりでしたので、戸棚の設置やちょっとした水道工事などを手伝いながら、昼間から夜まで酒飲みの義父に付き合ってビール(以前はウイスキーだったのですが…)を飲みながら過ごしました。妻にとっても、お父さんと長い時間を一緒に過ごす機会は貴重で、久しぶりの親子水入らずの時間を楽しむことが出来たようです。

 

 義父は、ベトナム戦争の退役軍人で、アメリカ陸軍の強襲ヘリコプター部隊のパイロットでした。近年、ベトナム戦争の機密作戦に関しての情報も開示され、当時の状況を伝える様々な書籍も出版されていますが、義父も、当時は政府すらその存在を否認していた機密作戦、『ブラック・オペレーション』を遂行するSOGという特殊部隊に所属していて、「アメリカ軍は展開していないと」当時のアメリカ政府が国際…

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日本国憲法を考える(2) 「日本国憲法9条解釈の詭弁。真の平和国家になるには…」 

前掲載分では、憲法前文についての感想を書いてみました。ここからは、9条を読んでみた感想を述べてみたいと思います。   第9条;

 『日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。

○2  前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。』 

 

 

1.『正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。』

 

 このような国際平和は、心より希求します。

 

 ここで語られている「正義と秩序を基調とする国際平和」を、憲法前文の「恒久の平和」のことと理解し、「人類が目的達成のために暴力的/破壊的で非良心的な手段を用いるという意図すらも完全に放棄し、調和と協調により物質的にも精神的にも豊かな社会が実現された状態」を指すと解釈すると、それを希求し、「国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する」という論理の…

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日本国憲法を考える(1) 「日本国憲法前文の理想と現実」 

(戦争について考える機会の多い8月。ブログにて、戦争に関する投稿をシリーズで挙げています。)

 

 日本において戦争と平和に関しての議論が行われると、必ず日本国憲法第9条について激しい意見の対立が起こります。9条を改正すべきという主張をしたら右翼、9条こそが日本の平和の拠り所になっていると主張したら左翼という具合に、9条へに対する意見によって極端なイデオロギーのレッテル貼りをされかねない議題で、この投稿で友人を失いかねないという危険すらあります。しかし、憲法改正の論議が高まる中で、一国民として憲法全文を読んでみての感想を整理してみたいと思います。ここでの感想とは全く異なる見解の方がより一般的かもしれませんが、そうやって異なる見解を持ち、お互いの意見を表明し、いろんな考えをテーブルに出した上で、総合的に物事を判断できることこそが自由民主主義の大切なところだと思います。もし日本国憲法を読んだことのない方は、これを機会に自ら読んでみて、自分なりの考察を深めていただくきっかけにしていただければ幸いです。

 

 全文を読んでみた上で、やはり普段からよく議論の的となる前文と第9条に関して考察をしてみたいと思います。

 

前文より…

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戦争回避のためにやれることはあるのか?(後半) 

戦争回避のためにやれることはあるのか?(後半)

(終戦の日を迎える8月。戦争に関する文章をシリーズで掲載しています。)

 

 ほとんどの国民が、自国が戦争に参加することを、馬鹿げたこと、不毛なこと、非人間的なこと、どんなことをしてでも避けるべきこと、と感じるにも関わらず、国家は時として戦争へと道を進んでしまうのはなぜでしょう?

 

 一般庶民としては、「バカな政治家や官僚、利己的で欲深い金持ちのせいで、自分達のような善良な庶民までも戦争に巻き込まれてしまう」という犠牲者意識を持ってしまうのですが、独裁制、民主主義、共産主義、社会主義、王制など、どのような体制の国家においても、戦争へと進んでしまった事例があることを考えると、戦争の責任を、単に国家体制、時の指導者や富裕層にのみあると考えることは、間違いだと思われます。

 

 プラトンの国家論は、「国家の性質というものは、それを構成する国民の性質を反映する」という前提で展開されています。国家は、それを構成する一人一人の国民があってこそ成り立つもので、人体が一つ一つの細胞があってはじめて成り立っているのと同じ状況です。細胞一つ一つに共有されている遺伝情報が、人体/人間としての…

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戦争回避のためにやれることはあるのか?(前半) 

戦争回避のためにやれることはあるのか?(前半)

(終戦の日を迎える8月。戦争に関する文章をシリーズで掲載しています。)

 

 北朝鮮情勢、米中対立、中国の国境で起こる領有権をめぐる問題など、世界各地で戦争に繋がってもおかしくない緊張が続いています。

 

 それにしても、戦争とは一体なんなのでしょう?

 

 ほとんどの人類が戦争を望んでいないにも関わらず、有史以来、人類はこれまで戦争を続けてきました。そして、文明が進歩(?)するに従い、武器の威力は強化され、戦争の規模は拡大し、ついには人類を含む地上の生命体の多くを絶滅させてしまうほどの大量の武器を抱え込み、引き金に指をかけて睨み合っているという状態になってしまいました。

 

 戦争は、殺戮、暴力、資源の膨大な浪費、文化の破壊など、非人道的で野蛮な行為であるために、議論の余地もなく「戦争はダメだ!どんな理由でも戦争は絶対にいけない!」のひとことで片付けられてしまいます。そのため、戦争が起こるプロセスや根っこの原因について冷静に考える機会は、案外と少ないと感じます。

 

 敗戦後の日本では特に、戦争のことを冷静に話すことは難しかったと思います。自分が生まれ育った昭和40年代以降にお…

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退役軍人の義父から聞いた話 

(終戦の日を迎える8月。戦争に関する文章をシリーズで掲載しています。)

 かつての敵国、アメリカに暮らして23年。アメリカ人の妻の家族や親戚、友人、隣人、音楽仲間やクライアント、ファンの皆さんなどの中には、大東亜戦争で日本と戦った軍人の家族、退役軍人、在日米軍に従軍していた軍人とその家族なども少なからずおりますが、彼らとの間で75年前に終わった戦争のことがしこりとなって現在の信頼関係が悪影響を受けるという経験をしたことはありません。むしろ、カリフォルニアで出会うアメリカ人のほとんどは、日本文化と日本人に対する尊敬や好印象をもってくれているようです。

 昭和46年生まれの世代は、いわゆる自虐史観を教育されていて、周囲の大人たちやメディアからもそれを強化する方向での影響を受けて育ちましたから、アメリカに移住した初期には外人コンプレックスを持っていて、アメリカで日本人が頑張ると嫌がられるか、たとえ評価されても「日本人のくせに、なかなかやるじゃないか」と言われるものだと思っていました。しかし実際には、様々な人種の中でも日本人は勤勉で特に能力が高いと思われているようで、2007年にオーケストラのオーディションに合格した…

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CANCELLLED: Motoshi Kosako(harp) & Michael Manring(fretless bass) duo Home Concert in Sacramento

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CAMCELLED : Jazz Harpist Motoshi Kosako with Veridian Strings Quartet-

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Unitarian Universalist Community of the Mountains (UUCM), 246 South Church Street, Grass Valley

Jazz harpist / composer Motoshi Kosako and Veridian Strings Quartet present a unique and varied program of Jazz-influenced and classical crossover works! From spicy arrangements of The Penguin, a Scott Raymond favorite, an original from Jeremy Cohen, to Harp Improvisations and 5 original works by Motoshi for Harp and String Quartet! 

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