ワクチン摂取をめぐる意思決定

 コロナウイルスワクチン摂取については、FDAの正式認可の下りていない治験段階の薬物であるため、個人の判断で自己責任で摂取を選択することが要求されています。メディアや政府機関は、積極的にワクチン摂取を推奨していますから、おそらく多くの方が「そんなに危ないものであるはずがない」と思いつつも、「でも、もしかしたら危険かも…」という不安も抱きながら選択をしているようです。ワクチン摂取しないと仕事を失いかねない、周囲との人間関係を悪化させかねない、といった社会的理由から摂取を決意する方もいると耳にしています。
 
 看護師と保健師の資格を持ち過去に医療機関で就労した経験もあり、現在も公衆衛生の研究グループで既存の医療システムの問題点を改善すべく研究をしている立場から、今回のワクチン摂取という健康と命に関する問題については「お上が偉い先生たちと相談して決めたことだから、間違はないだろう」と鵜呑みにする気にはなれず、慎重に意思決定を行っています。
 
 出発点としてまず、メディアや政府機関がワクチン摂取を積極的に進めるロジックを、以下のように解釈して要約してみました。
 
『Covid19パンデミックのために、人類の社会活動が著しく制限され、生活と生命の存続の危機に晒されている。この危機から最も早く脱する手段は、短期間に大勢がワクチンを摂取して集団免疫を構築することである。ワクチンのリスクはあるかもしれないが、パンデミック継続による損失に比べてはるかに小さく、許容範囲である。現時点でパンデミックを終わらせる有効な対処法は、これ以外にない。』
 
 このロジックを納得できればワクチン摂取、できなければワクチン不摂取ということになりますが、その判断をするには何よりも情報収集が大切です。しかし、ワクチンの専門家でない限り、判断を下すために必要な一次情報も基礎的な知識も持ち合わせていませんから、もっぱら専門家が科学的見解を交えて発進する二次情報に当たることになります。しかし、これがなかなかに大変です。調べてみるとすぐに分かりますが、お偉い専門家の間でも見解が様々に割れているため、「偉い先生がおっしゃるから…」という理由からは判断を下せないのです。
 
 このように、専門家の見解が割れるという状況は、政治経済や安全保障の問題に関しても同ようです。このような場合、情報の発信者はメッセージを明確にするために、白黒をはっきりと表現する傾向がありますから、両極の見解をそのまま鵜呑みにするのは危険です。情報の受信者としては、白黒の間のグレーゾーンのどこかに真実があるのだろうと予測をします。では、どの色合いのグレーが「真実」なのか?
 
 専門家ですら意見を集約できない事象に関して、素人が本当の真実をピンポイントで探り当てることはできません。そのため、まずは専門家の両極端な見解を並べてみて、見解の論理的整合性、発信者の人柄や経歴なども考慮した上で、両極の間にある腑に落ちる場所を「真実」として採用し、以後の判断基準として用いることになります。正直なところ、この作業にはそれなりの時間と労力がかかります。紆余曲折の末に「お上のお達し通りでなんの問題もない」という判断にたどり着くと「なんだよ。結局時間の無駄かよ」とお感じになるかもしれませんが、自身の健康と命に関わる選択ですから、汗をかいて慎重に判断することは決して無駄ではないと思います。
 
 以下に、ワクチン推進のロジックの要点に関し、一般人が理解できる範囲で両極端な対立見解を大雑把にまとめてみました。すでにこの問題に関心をお持ちの皆さんには目新しい情報はないと思いますが、これまであまり関心のなかった皆さんには、考え始める出発点として参考になればと思います。詳細はご自身で精査し、ワクチン摂取に関しては十分な検討と考察を経て決断をしていただけると幸いです。
 
1)Covid19パンデミックがどのようなものであるのか?
「Covid19ウイルスは感染力と毒性の強い危険なウイルスであるため、ソーシャルディスタンシングや社会活動制限などを含む適切な対処をしても、未だにパンデミックが継続している。数値データがそれを証明している。」
「Covid19ウイルスはタチのわるい風邪程度の感染症で、過去には同じようなウイルスを特別な対処もなくやり過ごしてきた。パンデミックは作られた幻想で、対策としてやられていることはナンセンス。確定診断のPCR検査は偽陽性が続出する不適切なもので、偽陽性を含むCovid19陽性者の死亡は実際の死因にかかわらず全てCovid19による死亡と報告されるため、数値データには信頼性がない。」
 
2)人類の社会活動が著しく制限され、生活と生命の存続の危機に晒されていることについて
「社会活動の制限はパンデミックへの対処として必要で適切なものであったが、それによる社会的損失も伴った。しかし、もしこのような対処がなされなかったらもっと多くの生命が失われ、社会的損失ははるかに甚大なものとなった。」
「社会活動の制限は、パンデミックを防ぐ上で有効性はほとんどなかった。Covid19への過剰なリスク評価と不適切な対処という人災による損失こそが問題で、病気自体の社会的損失よりもはるかに深刻だ。」
 
3)パンデミックの危機から脱する手段としての大規模なワクチン摂取
「あらゆる社会的手段を講じて封じ込めを試みたが、流行が収束する気配はない。こうなったら、人口の大部分がワクチンによって免疫力を強化し、集団免疫の状態を作るしかない。社会全体のために、皆が歩調を合わせてワクチン摂取を進めることが重要。」
「原因疾患であるCovid19感染症による健康リスクはさほど大きくないため、ワクチンによる大規模な予防措置はナンセンス。時期が来れば自然に集団免疫が形成されて流行は終わる。実際に、すでにCovid19に対する集団免疫が形成されている地域もある。不用意なワクチンの使用により変異を招き、返って流行を悪化させる可能性もある。」
 
4)ワクチンのリスク
「ワクチンの有効性は確認され、安全性も従来のワクチンの基準を満たしている。ごく稀に副作用による健康被害が出る可能性があるが、ワクチンによって得られるメリットを考えるならば、そのリスクは十分に許容範囲内である。」
「Covid19ワクチンは、従来のワクチンとは異なる新しい技術が導入されたもので、本来新薬と呼ばれるべき。治験が不十分なため、効果の継続性や安全性に関して不明な点が多い。ワクチンによって特異性免疫が過剰に刺激され自然免疫が低下することで、変異株やその他の感染症への罹患リスクが高まる可能性もある。」

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