新型コロナワクチン接種を推奨する政府広報への苦言

 日本にいる両親は、「みんなが接種するから、自分たちだけがしないわけにもいかんだろう」という理由でワクチン摂取の申し込みをしたけど、みんなより出遅れてしまったため8月まで接種が受けいられない、と心配の様子。両親はネットへのアクセスはなく、テレビ、ラジオと購読している一種類の新聞でたまたま目にした情報からこのような判断をしたようです。息子の意見などは、かかりつけの病院の先生やテレビで見聞きしたこと比べれば聞くに値しない怪しげな情報、ということなのかな…悲しいけど。自分は伝えるべきことは伝えた上で、両親の自由意志による決定を尊重するつもりですが、多くの高齢者の皆さんがこんな感じでワクチン接種の判断しているとしたら問題です。

 リンクは、政府が高齢者向けに作っている広報です。30秒ほどの短いものなので、一度ご覧になっていただけると幸いです。

 

 


 政府は厚生省のウェブサイトで、「新型コロナワクチンの接種は、国民の皆さまに受けていただくようお勧めしていますが、接種を受けることは強制ではありません。しっかり情報提供を行ったうえで、接種を受ける方の同意がある場合に限り接種が行われます。」と約束しているのだから、こういうビデオにこそ『本剤は、本邦で特例承認されたものであり、承認時において長期安定性等に係る情報は限られているため、製造販売後も引き続き情報を収集中である。本剤の使用にあたっては、あらかじめ被接種者又は代諾者に、本剤に関する最新の有効性及び安全性について文書で説明した上で、予診票等で文書による同意を得た上で接種すること。また、有害事象が認められた際には、必要に応じて予防接種法に基づく副反応疑い報告制度等に基づき報告すること。なお、本剤の製造販売後に収集された情報については、最新の情報を随時参照すること。(ーファイザー社製新型コロナワクチンコミナティ筋注の解説書より)」に準ずる情報をわかりやすく掲載し、「しっかりと情報提供」すべきではないでしょうか?

 これだけ大規模に特例承認の薬剤投与を国民に勧める以上、政府は当然確固たる信念と科学的データから導き出される確信を持って政策に取り組んでいるはずです。だったら、堂々とワクチン接種の妥当性をリスクと利益の比較から理論的に説明し、根気よく国民を本当に納得させれば良いではありませんか!「安心、安全です」ということばかり連呼して、国民がじっくり考えないまま雰囲気に流されて接種をする空気を作って、その影でコソコソとリスクを隠すようなことをする必要は全くありません。

 政府としては「情報は一切隠しておりません。探せば見つかる場所に出してます」という言い訳は成り立つのかもしれませんが、情報の出し方を姑息に調整し印象を操作するような姿勢では、ワクチン接種も「欲しがりません、勝つまでは!」とか「一億総火の玉だ!」とか「原発は絶対安全です」と同等の自己破壊的なプロパガンダと思われても仕方ありません。もし、信念も確信もなく、「何かやらないと国民がうるさいから」というような理由でやっているとしたら、それはプロパガンダ政策よりもさらに恐ろしい。
 
 施策者側にいる政治、行政、メディア、製薬、医療業界で働くみなさんも、ご自身と愛する家族、友人の幸せのために、自分に与えられた仕事を一生懸命やられているんだと思います。その上で、みなさんが信念を持って取り組んでおられる仕事の素晴らしさを国民が納得し、一致団結してより良い社会に向けて歩みを進めることができるよう、大衆という顔の見えない国民に対しても、ご自分の家族や親友に対する時の誠実さを持って接していただけることを切望いたします。 

 

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